19日付の西日本新聞さんWEB版、18日付の読売新聞朝刊に大任町在住のコケ研究家、元中学校教員の崎山欽一郎さんの記事を掲載していただきました。今回、崎山さんから大任町の郷土資料館「ふるさと館おおとう」に、崎山さんがが17日、国内で初めて発見し、自身の名が付けられた「サキヤマホウオウゴケ」などに関するパネル4枚を寄贈されたという記事です。崎山さんは「コケに関心を持ち、研究する人が増えてほしい」と話されました。
読売新聞にも取り上げられました!
こちらが寄贈された「サキヤマホウオウゴケ」などに関するパネル4枚
この記事の目次
大任町在住コケ研究家で元中学校教員の崎山欽一郎さんのコケ研究の概要
崎山さんは川崎町立川崎中学校で理科を教えていた1952年、知人の勧めで添田町の英彦山などでコケの採集を始めた。サキヤマホウオウゴケは56年に香春町の香春だけで見つけた。約半世紀、自宅で保管していたが、2010年、公益財団法人・服部植物研究所島田分室(静岡県島田市)の鈴木直博士によって国内初確認のコケと認定された。
パネルでは、北アメリカ東部やメキシコに分布するサキヤマホウオウゴケの学名やこれまでの研究成果などを説明。英彦山や香春岳では現在も研究者によるコケの分布調査が行われていることも紹介している。
資料館でパネルを贈った崎山さんは、「サキヤマホウオウゴケは私にとって宝のようなもの。パネルを見た若い世代に研究を引き継いでもらいたい」と話した。(読売新聞)より
寄贈したパネルは、崎山さんの研究仲間で教え子の木村素子さん(55)ら3人が作成。サキヤマホウオウゴケ発見に至った経緯や崎山さんの半生などをまとめた。
崎山さんは現在、町内の高齢者施設で生活しているが「まだ研究していないコケの標本が残っている。施設に顕微鏡を持ち込んでいいか打診している」と意欲を持ち続けている。パネルを受け取った浦野幸治副町長は「功績に敬意を表し、貴重なパネルを広く紹介したい」と話した。(西日本新聞より)
日本新品種サキヤマホウオウゴケについて
ホウオウゴケ科 ホウオウゴケ属
和名:サキヤマホウオウゴケ
学名:Fissidens subbasiralis(フィッシデンス・スブバシラリス)
採集場所:田川郡香春町香春岳一ノ岳、標高300mの乾いた石灰岩上
採集日:1956年2月7日
採集者:崎山欽一郎
日本新産種:日本新産種とは、海外で生物学的記載がすでになされているが、日本ではそれまで発見されなかった生物種である。
2011年には、香春岳の標高360mでもサキヤマホウオウダケの生育を確認された。一ノ岳で再確認できずその生育が危ぶまれたが、二ノ岳、三ノ岳、香春町の竜ケ鼻、頂吉(かぐめよし)で確認された。また、栃木県、群馬県でも確認できた。
崎山さんのこれまでの「ふるさと館おおとう」での展示会
ふるさと館おおとうでは、2015年に「コケのふしぎ展」として崎山さんの研究成果を知っていそうで知らないコケについて知っていただくために企画しました。標本資料や顕微鏡写真、模型、解説パネルを使用してコケについて分かりやすく展示しました。
展示品は、標本資料、解説パネル(コケの説明)、写真(顕微鏡写真)、イラスト(菅原神社のイチイガシ、香春岳)、模型(胞子体、帽)、テラリウム、コケ採集道具(ルーペ、ビニール袋、ピンセント、観察ノート)など約150点が展示され、﨑山欽一郎さんと木村素子さんを講師に解説会も行われました。
サキヤマホウオウゴケのパネルが寄贈されたふるさと館おおとうのご紹介
田川郡大任町の今任原地区、総合運動公園前交差点そばにある「ふるさと館おおとう」は、同町の文化遺産を後世に伝える目的で、貴重な史料の収集・保存・公開を行う施設。館内は歴史・民俗・文化の3つのゾーンに分かれる常設展示室では、町内の遺跡からの出土品や町民から寄贈された昔の農機具や生活用具などを展示しています。またかつて町内にあった「田香焼」の窯元から出土した陶器のかけら展示されています。
住所 | 〒824-0511 福岡県田川郡大任町今任原1666-2 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)年末年始 |
入館料 | 無料 |
駐車場 | 無料駐車場30台分あり |